最初に
静岡県で中小企業診断士・宅地建物取引士として新規開業希望者様の支援をしております、BizPlaceの大石幸輝と申します。宜しくお願いいたします。
この記事では、
- 事務所や店舗の開業に興味がある!
- 店舗をどのエリアに出店しようか悩んでいる・・
- 出店予定地や店舗周辺の顧客情報を知りたい!
という方向けに、「店舗事業者が成功するための商圏分析のやり方」について、日々様々な事業者様から相談を受けている私、大石が解説いたします。
結論
商圏分析は、jSTAT MAPを始めとした国の提供している公的データと、現地情報の併用がおすすめです。公的データを取得し、現地情報と照らし合わせて分析を行い、分析結果から得た仮説の実証を繰り返すことで、売上の増加につなげていくことができます。
データの取得はゴールではなく、むしろスタートです!
商圏分析とは
商圏分析とは、特定の店舗や施設の周囲の地域を調査し、顧客の行動や需要を理解するための手法です。企業や店舗が商取引の対象とする地域(商圏)の範囲内で、居住または訪問する人の属性や思考などを、データに基づき分析を行います。
商圏分析を行うメリット
商圏分析を行う主なメリットは以下になります。
- 出店予定地について事前に調査することができる
- 商品やサービスの改善に役立つ
各内容について説明していきます。
- 出店予定地について事前に調査することができる
-
分析地点の市場環境・地域特性を事前に把握することで、顧客の多い出店エリアに目星をつけておくことができます。いざ希望エリアに不動産が出てきた際にも、他社よりも早く動くことができます。
- 商品やサービスの改善に役立つ
-
既存店舗周辺の市場環境・地域特性を把握することで、周辺ニーズに沿った商品開発やサービス提供ができます。新規顧客獲得を図る際の検討材料として、データを活用できます。
出店後の立地は簡単には変えられないため、店舗ビジネスにおいては特に商圏分析が重要になります。
このように、商圏分析を行うことで地域特性がわかり、適切な戦略が打てるようになります。
商圏分析の流れ
商圏分析は、以下の流れで行います。まずは、分析する目的を決め、目的を達成するためにはどのようなデータが必要かを検討し、データの取得、分析、仮設実証を進めていきます。
まずは具体的な分析目的を決めます。そして、決めた分析目的を達成するためにはどんな情報が必要なのかを検討していきます。以下は例になります。
例① | 例② | |
目的 | 分析出店するカフェのターゲットとなる 20~30代の女性の多いエリアはどこかを把握するため | 居酒屋を出店するとしたら どのあたりが良いのかを把握するため |
データ | 必要・商圏内の人口動態がわかるデータ ・なぜその場所にターゲットが多いのかがわかる情報(人気店が多い、事業所があるなど) | ・商圏内の人通りが多い場所がわかるデータ ・実際に人通りが多いかどうかがわかる現地情報(通行量など) |
目的と必要データを決めたら、実際にデータを取得します。データには、公的に取得できるデータだけでなく現地情報も含まれます。現地を重視せず、ネット等取得した2次データのみを見てしまうと、データが実情に即しているのか不明のまま分析を進めていくことになります。取得した2次データと自身で取得した現地情報(1次データ)を照らし合わせて分析することで、実情に即した分析が可能になります。
「1次データ」:新規に収集したデータ
「2次データ」:既に誰かが収集した既存のデータ
取得したデータを分析し、仮説を立てます。ここで仮説を立てておくことで、その後の検証をスムーズに行うことができます。以下は例になります。
例① | 例② | |
結果 | 分析・20~30代の女性の多いエリアはA地域だった ・A地域には女性に人気のあるアパレル店舗が複数出店しており、女性の通行人も多かった | ・B通り沿いは事業所が多いため他地点と比較して人が多そう ・B通り沿いはサラリーマンが多く、夕方以降は特に人通りが多かった |
仮説 | ・A地域の近くにカフェを出店したら女性客の集客が見込めるかもしれない ・集客するためには周辺店舗との協業が有効かもしれない | ・B通り付近に居酒屋を出店したら仕事帰りのサラリーマンの集客が見込めるかもしれない ・集客するためには事業所へのアプローチが有効かもしれない |
立てた仮説が正しいかどうかを検証していきます。仮説を基に施策を実行した結果、以下のようになりました。
例① | 例② | |
仮説 | ・A地域の近くにカフェを出店したら女性客の集客が見込めるかもしれない ・集客するためには周辺店舗との協業が有効かもしれない | ・B通り付近に居酒屋を出店したら仕事帰りのサラリーマンの集客が見込めるかもしれない ・集客するためには事業所へのアプローチが有効かもしれない |
検証結果 | ・他店舗との協業のためチラシ設置による相互送客を実施した結果、新規顧客を獲得できた | ・宴会プランのチラシポスティングを周辺事務所に行った結果、新規顧客を獲得できた |
このSTEP1~4を繰り返し行うことで、ニーズに沿った商品やサービスの提供が可能になり、売上増加に繋げることができます。
データ取得に役立つツールの紹介
ここでは、データ取得に役立つツールを2つ紹介します。この2つのツールはともに国が無償で提供しており、信頼できるデータとして商圏分析に活用することができます。
- jSTAT MAP
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jSTAT MAPとは、総務省が提供している国の統計データを取得できるツールになります。統計データを地図上に表示することで、「視覚的」にデータを把握することができます。
- RESAS(地域経済分析システム)
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RESASとは、内閣府と経済産業省が提供している国の統計データを取得できるツールになります。産業構造や人口動態、人の流れなどの官民ビッグデータを把握することができます。
まとめ
商圏分析は、jSTAT MAPを始めとした国の提供している公的データと、現地情報の併用がおすすめです。公的データを取得し、現地情報と照らし合わせて分析を行い、分析結果から得た仮説の実証を繰り返すことで、売上の増加につなげていくことができます。
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